株式投資のやり方、株式投資の方法は非常にシンプルです。
株式投資では細かくデータを分析し、複雑なシミュレーションもできますが、投資初心者の方は、難しく考える必要はありません。
本記事では、株式投資の方法、株式売買による資産運用法を初心者に分かりやすく解説します。
株(株式)とは何か?
株(株式)とは、株式会社が事業活動に必要な資金を集める手段のひとつです。
株を持っている人(株主)から集めた資金に対して発行する証書(株券)を指す場合や、株式会社の構成員としての「権利」も株式と呼んでいます。
株式とは?
“株式とは、株式会社が資金を出資してもらった人に対して発行する証券のことです。株式の発行は、その企業が事業を行うために必要な資金を集める手段のひとつで、例えば会社が工場を建てて製品をつくる、お店を出して販売するといった場合に必要な資金を集める際に行われます。”
みなさんもテレビなどで、株主総会の様子を見たことがあるでしょう。また一定数の株式を保有している方であれば、株主総会に参加した経験があるはずです。
株式には、法的地位と経済的地位があります。株主は一定の資金を提供することで、株式会社の意思決定に直接に関与する「議決権」を持ちます。
また、会社が利益を上げた際には、利益の一部を受け取る権利(経済的地位)を持ちます。
株式の議決権とは?
“株主の議決権(かぶぬしのぎけつけん)とは、株式会社の社員である株主が、提案された議案に対して、賛否を表明し、株式会社の意思決定に直接に関与する権利。株主総会とは株式会社の基本方針を定める場であることから、株主の議決権は、株主の権利のうち共益権のひとつであり、経営参加権ともよばれる。”
本項で解説している「株式投資」とは、主に国内の株式会社の株を売買することで、海外の株式投資とは分けて考えられています(海外の株式投資は「外国株」と呼んでいます)。
日本国内の株式市場における上場企業数
日本国内には、約3,700(2020年7月20日時点)を超える企業が上場をしています。
区分 | 企業の数 |
---|---|
東証一部 | 2,171社(1) |
東証二部 | 480社(1) |
マザーズ | 328社(1) |
JASDAQスタンダード | 664社(1) |
JASDAQグロース | 37社 |
Tokyo Proマーケット | 37社 |
合計 | 3717社(4) |
※ 企業の数にある()内の数字は、外国企業の数を示しています。
参考リンク:上場会社数・上場株式数(JPX・日本取引所グループ)
株式投資では、この上場企業の中から「株を買いたい企業」を選び、株を購入します。
インカムゲインとキャピタルゲイン
株を購入し株価が上がったところで株を売却すれば、買ったときとの差額で利益が発生します。こうした利益を値上がり益と言うのですが、株式投資では「優良株を安く購入する」ことが、最も重要なポイントです。
株を購入した企業の利益が大きくなると、会社が得た利益の一部が株主に還元されます。これを「配当」と言います。
なお、株を持つことで得られる利益には、「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2種類があります。
株を持つことで得られる利益
インカムゲイン | 配当、株主優待など |
---|---|
キャピタルゲイン | 値上がり益、保有している資産を売却することによって得られる売買差益のこと |
インカムゲインは先程紹介をした、配当のほか株主優待があります。
一方キャピタルゲインは、先程紹介をした「売買差益」のことです。例えば、会社の業績が上がり、株を買いたいと思う人が増えると株価は上がります。
株価が上がったところで株を売れば、購入時との差額が儲けとなります。
例えば、50万で購入した株が150万円で売れた場合、差額の100万円が儲けになります。
こうした「値上がり益」は、株式投資の利益を支える大きな柱と言えます。
株主優待とは?
株主優待とは、保有する株券の割合に応じ、企業から金券や割引券、商品などがもらえる優待制度のことです。
株主優待とは?
“株主優待(かぶぬしゆうたい)は、株式会社が一定数以上の自社の株券を権利確定日に保有していた株主に与える優待制度のこと。略して株優(かぶゆう)と呼ぶこともある。”
出典元:株主優待(Wikipedia)
一定数の株を持っていれば、指定された株主優待が受け取れます。
例えば、デパートの株を一定数保有していれば、権利確定日にデパートの割引券がもらえるようなケースや、食品メーカーの場合には、自社製品の詰め合わせやオリジナルグッズがもらえるなど、各社優待内容に特色を持たせています。
なお、株式投資が初めてという人の中には、株主優待の内容から、購入する株を決めている方も多いです。
例えば、個人投資家で一躍有名になった桐谷さん(本職はプロの将棋棋士)は、株主優待マニアとして、ビジネス系の雑誌やウェブコラムで活躍。注目の株主優待情報を発信し続けています。
株式投資の第一歩は、企業分析から
株式投資のやり方(投資法)を知るには、まず、どのような株式会社があるのか、企業情報を得ることです。各社の情報は、会社四季報にて確認できます。
会社四季報には、各企業の決算や業績情報が掲載されており、今後どのような株が利益を出すのか予測できます。
※ 会社四季報は、書籍のほかオンラインでも購読できます。
株による配当金は、会社の利益の一部を株主に配分することです。
ただ、成長段階の企業は事業で得た利益を新たな事業へと再投資するケースもあり、配当が実施されないことも珍しくありません。
業績が安定しているだけでなく、各企業動向も最新のニュース(会社四季報ONLINEや証券会社のニュースなど)にて確認しましょう。
参考リンク:会社四季報ONLINE
株式投資を始めるために必要なもの
株式投資を始める前に、【投資資金と証券口座】など準備すべきものがあります。
株式投資では、株の価格は銘柄によって異なります。1株100円の銘柄もあれば、10,000円の銘柄もあります。
通常、株の購入単位は100株単位、1,000単位です。そのため、株を購入する場合は【株価×100株】または【株価×1,000株】分の資金が必要です。
多くの場合、数十万円(百万円未満)で株式が購入できます。また、1株から購入できる証券会社もあるので、少額でも株式投資が始められます。
次に必要なのが、証券口座です。株式投資をするには、証券会社にて「取引口座」を開設してください。
証券会社毎に売買手数料や使えるツールは異なります。一社で即決するのではなく、複数の証券会社を比較し、自分に合うところで口座を開設しましょう。
投資する株の選び方
どの株に投資を行うか、決定方法はひとつではありません。初めて株式投資を行う場合には、知名度の高い会社や株主優待の内容から銘柄を選ぶ方も多いです。
基本的には、業績が良く将来性がある会社を選ぶと失敗しません。
株を知っていくにつれ、会社の業績や将来性など、日頃から意識して情報を集めるようになりますが、初めのうちは気になる企業や、好きな商品やサービスを扱う企業の株を購入すると良いでしょう。
株式投資における銘柄の分析方法
株式投資に慣れてくると、理論的に分析できるようになります。株式投資では、基本的に「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」といった相場分析の手法が使われます。
テクニカル分析
テクニカル分析とは、過去のチャートや売買から統計的に、トレンドやパターンを解析し「今後の株価」を予想するものです。
ファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズ分析は、景気動向や金融政策、財政政策等の変化を含めて市場全体の動向を分析し、相場の大きな方向性を掴むものです。
ニュースや決算書などを読んで会社の現在の株価が割高か割安かを判断します。
分析には専門的知識が必要ですが、ファンダメンタルズ(経済指標)はネット上でも入手できるため、株価の判断材料として活用しましょう。
また、銘柄選びで重要なポイントは、投資する期間を明確にすることです。
投資の期間には短期・中期・長期がある
投資は【短期・中期・長期】の区分があり、株式の短期投資は、当日から長くても数週間保有し、すぐに売買して利益を得ることを目的としています。
短期投資
短期投資では株式の売買を楽しめるものの、日々の景気や経済の流れをリアルタイムでチェックしなければならず、ハイリスク・ハイリターンの投資手法です。
中期投資
一方の中期投資は、1ヵ月から1年ほど保有する手法です。株価が割安な銘柄や、将来の成長が見込める銘柄への投資に向いてます。
長期投資
長期投資は5年以上保有するもので、長期的視点で利益を狙います。配当利益や株主優待の恩恵が得られるのは長期保有の魅力でです。
このように、投資期間によって株(銘柄)の選び方は異なります。各投資法の特徴を掴んだ上で、売買する銘柄を選びましょう。
株式投資の流れ
株式投資を行うには、開設した証券口座に入金を行い、購入する銘柄を選びます。次に購入株数を決め、注文(エントリー)を行ってください。
注文方法は指値、成行の大きく2つに分けられます。具体的な値段を自分で決められるのが「指値」であり、値段を設定しないのが「成行」です。
少しでも安く購入したい場合は指値を、確実に手に入れたいのであれば成行を選択すると良いでしょう。注文が成立すると株が受け取れます。
まとめ|株式投資の利益は複数から得られる
今回紹介した通り、株式投資の利益はインカムゲイン(配当、株主優待など)のほか、売買差益などのキャピタルゲインがあります。
こうした仕組みが理解できれば、より高度な分析や銘柄選びが行えます。
まずは、株式投資で利益が発生する「仕組み」を知り、株式投資の知識を少しずつ増やしていきましょう。