株式は少額(1株単位)で取引できるのをご存じですか? 例えば、一部の証券会社が提供するミニ株や単元未満株であれば、「最小1株」から株が購入できます。
少額取引をすれば、最初の元手は少なく済みます。また、少ないお小遣いで株を買いたいという方や投資初心者の方にも少額投資はおすすめです。
本記事では、株式投資で「少額取引をする方法」と「少額投資の基本」について解説します。
株式は1株から購入可能!
株を売買する場合、通常各銘柄ごとに最低限の単元(例:100株/口、1,000株/口等)が決まっています。銘柄の単元はいくらなのか、各銘柄の株価を見ればすぐに調べられます。
例えば、(株)三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)の株について見てみましょう。
画像出典元:Yahoo!ファイナンス(2020年3月30日時点のデータ)
上の画像の右側【参考指標】の下の方に「単元株数」と書かれている項目がありますね。これが三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)を売買する場合の単元を表しています。
「1単元=100株」になっているので、必要な資金は【現在の株価426.1円 × 100株+証券会社の手数料】になります。
つまり、三菱UFJフィナンシャル・グループの株を1単元買うと最低で42,600円の資金が必要という計算です。
少額投資の基本①
- 単元未満株は1株から購入できる!
株価が1,000円未満、500円以下であれば投資の資金は少なくなりますが、株価が1,000円〜2,000円になると(同じ単元数でも)必要な資金は大きくなります。
また、1単元1,000株の銘柄になると最低でも十万円以上の資金が必要です。
初期投資を少なくするには、単元未満株がおすすめ
初期投資にお金が用意できないという方には、単元未満株の購入がおすすめです。現在利用できる「単元未満株制度」は、2001年6月からスタートしました。
単元未満株制度(たんげんかぶせいど)とは?
“単元株制度は、2001年6月の商法改正で創設された制度で、それ以前の単位株制度に類似するものである。(中略)2001年6月の商法改正では、出資単位の最低限に関する規制の撤廃(発行株式の無額面化)、単位(単元)未満株主の権利の変更など、若干の制度改正をおこない、単位株制度から単元株制度に移行することになった。”
出典元:野村證券|証券用語解説集
単元未満株制度であれば「1株から」購入でき、わずかなお小遣いでも株式投資が始められます。
また、株式では「多額の資金がないと投資できない」と考える方も多いのですが、単元未満株を売買すれば誰もが資産運用に取り組めます。
参考リンク:株式って何株から買えるの?(日本証券業協会)
日本株の80%以上は、1株3,000円以下の銘柄
実は、日本で売買されている株の80%以上が、1株3,000円以下の株価を付けています。このため、ミニ株など1単元未満株を購入すれば、少ない資金でも好きな株が自由に購入できてしまいます。
3,000円であれば、小学生、中学生、高校生でもお年玉で株が買えてしまいますね! みなさんも自分の好きな企業やサービス、気になる銘柄があれば、まずは単元未満株で購入してみましょう。
少額でも有名な企業の株を運用するのは楽しいですし、保有している株があれば、投資情報やマーケット情報などにも目を向けるようになります。
通常の取引と少額取引の違い
前項でも紹介しましたが、単元株と単元未満株では「取引の金額」が異なります。
一単元1,000株、株価2,000円の株を購入するとなれば、少なくとも【200万円+手数料】を準備する必要があります。
もし、1単元から取引ができれば【2,000円+手数料】だけで済むのですから株式投資のハードルは低くなりますね。
株式投資|少額取引のメリット
少額取引のメリットをまとめてみました。
- 少ない資金で株式投資がはじめられる
- 実践で知識を得る、経験を積むことができる
- 失敗したときにやり直しがしやすい
- 投資の基本である分散投資がしやすい
少額投資は、少ない資金で投資が始められるというメリットのほか、実践で経験を積むチャンスが生まれます。
投資で「お金を使うのが怖い」という方も多いのですが、少額で実践をしていくのが「株の基礎を学ぶ」最良の方法です。
そして少額であれば、投資で失敗をしたときにやり直しがしやすく、投資の基本である分散投資にもチャレンジできます。
気になる銘柄、買ってみたい銘柄があれば、まずは少額から購入してみましょう。
株式投資|少額取引のデメリット
少額取引のデメリットは、利益が出た場合のリターンが少ないことです。少額で売買をすると、1単元100株、1単元1,000株で取引をするよりも、投資効率が悪くなります。
また単元未満株の場合には、「株主優待」の特典も受けられません。
- 利益が出た場合のリターンが少ない
- 全体の投資効率が悪くなる
- 株主優待などの特典が受けられない
ある程度、株式投資に慣れてきたら、単元未満株以外の取引にもチャレンジしてみましょう。
少額取引は金額指定でもOK!
1単元といった単位にこだわり必要はありません。例えば、株式は金額を指定した購入方法があります。
1株2,000円の株があったとしましょう。この場合、1単元2,000円で購入しても良いですし、500円や1,000円といった金額をして購入する方法があります。
少額投資の基本②
- 株は金額をしていして、購入してもOK!
仮に500円分を購入した場合、1株より少ない0.25株を保有している計算ですね。
NISAも少額取引できる!
実はNISAでも少額取引が行えます。NISAは年間120万円までの非課税投資枠を利用し、投資が行えます。同様にNISAには「つみたてNISA」と呼ばれる少額投資非課税制度の仕組みがあり、月々少額を積み立てて投資が行えます。
少額投資の基本③
- 話題のNISAも少額購入できる!
つみたてNISAでは、毎年40万円までの非課税投資枠を利用し投資が行えます。なお、つみたてNISAではまとまった資金は必要無く、金融機関によっては月100円から積み立て投資が行えます。
画像出典元:つみたてNISA(金融庁)
期間も最長20年間あるので、コツコツ投資をしたい方はつみたてNISAで運用しましょう。
株の少額取引は、スマホでもOK!
スマートフォンでも、株の少額取引が行えます。
初心者だけでなく、プロトレーダーもスマホ版アプリを使って、株の売買を行っています。
米国の株式投資も少額投資できる
今話題の「米国株式」も、少額での取引が可能です。米国株には単元株制度がありません。このため1株から株の購入が行えます。
少額投資の基本④
- 米国株には、単元株制度がない!
米国の株式投資と日本の株式投資の違いですが、米国の株式投資では年4回の配当が受けられます。ただし、米国の株式投資には株式優待が無く、配当金を重視しています。
ポイント投資もおすすめ!
お金を掛けずに、少額取引を始めるには「ポイント投資」がおすすめです。
例えば、楽天証券では「楽天スーパーポイント」で取引ができ、クレジットカード(楽天カード)や楽天市場でのお買い物、楽天トラベルでの予約、楽天銀行、楽天Pay、楽天Edyなどの利用で貯まったポイントが「1P=1円」として利用できます。
少額投資の基本⑤
- ポイントを使った投資もおすすめ!
こうしたポイント投資は、NTTドコモのdポイント投資、SBIネオモバイル証券のTポイント投資、クレディセゾンの永久不滅ポイントを使った投資、SMBC日興證券のdポイント投資、LINE証券のLINEポイント投資などがあります。
利用している共通ポイントがあれば、分散投資のひとつとして、ポイント投資に取り組んでみましょう。
少額の株取引ができる!おすすめ証券会社一覧
最後に「少額の株取引ができる」おすすめの証券会社を3社紹介します。
マネックス証券
マネックス証券では1株から購入できる「ワン株」と呼ばれるサービスがあります。手数料は約定代金の0.5%。最低手数料は48円です。
カブドットコム証券
カブドットコム証券には、1株から購入できる「プチ株」と呼ばれるサービスがあり、手数料は約定代金の0.5%。最低手数料は48円です。
松井証券
松井証券には「単元未満株」があり、1株から取引が行えます。約定代金×0.6%で、最低手数料はありません。
まとめ|少額投資は投資初心者におすすめの方法!
これから株式投資をはじめる方、投資初心者には、少額での投資をおすすめします。
少額投資であれば、失敗をしてもやり直しがしやすいですし、少ない投資資金でも気軽に株式投資がスタートできます。
そして、「株を実際に購入する」という行為が、株や銘柄への知識を深め、株式投資や売買の基礎を身につけるきっかけになります。