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一般信用取引と現物取引・制度信用取引との3つの違い

一般信用取引とは?

信用取引今回は現物取引と信用取引の違いや、一般信用取引と制度信用取引の違いについてご説明し、一般信用取取引を利用するメリットについてお伝えします。

信用取引とは

株式投資の取引には大きく分けると現物取引と信用取引の2つがあります。

現物取引は投資家が資金を用意して株式を購入する通常の取引ですが、信用取引は、現物取引とは違い一定の保証金や株式を証券会社に差し入れてそれを担保に取引を行う方法です。

信用取引では信用買いと信用売り両方行うことができますが、信用買いの場合には証券会社からお金を借りて株式を売買し、信用売りの場合には証券会社から株を借りて売買します。信用売りは空売りと呼ばれ、現物取引ではできない売りから取引に入ることができるため下降トレンドでも利益を得ることが可能となります。

現物取引と信用取引の違い

ここでは、現物取引と比較した場合の信用取引の違いについてお伝えします。

信用取引は配当金や株主優待に注意

現物取引であれば配当や株主優待を実施している銘柄を受け取ることができますが、信用取引の場合には注意が必要です。

まず、配当金ですが、権利確定日をまたいで信用買いをしていた場合には、配当金相当額を受け取ることができます。逆に、信用売りしたまま銘柄を所有していた場合には配当金相当額を支払わなければなりません。

また、株主優待については権利確定日をまたいで信用取引をしていても受け取ることはできません。

信用取引は、現物取引より一般的に売買手数料が安い

一般的に、信用取引の売買手数料は現物取引より安く設定されています。

例えば、SBI証券の場合50万円の約定にかかる手数料は現物取引が272円、信用取引が191円。

ライブスター証券では現物取引が200万円超~300万円以下で600円の手数料がかかるのに対して信用取引は300万円以下80円300万円超0円。

岡三証券では現物取引が50万円超~100万円以下648円に対して、信用取引が540円となっています。

信用取引では差金決済ができる

現物取引では差金決済はできませんが、信用取引では差金決済が認められています。

差金決済とは、1日の内にある銘柄の株を50万円で買って55万円で売った場合にその差額である5万円だけ受け渡すことですが、現物取引では差金決済ができず、都度お金のやり取りがされます。

株式売買の代金は取引を行った日を含む4営業日目にお金のやり取りがされるため、例えば6月1日の月曜日に50万円の買いと55万円の売りを行った場合、6月4日木曜日に50万円の買いと55万円の売りが決済されます。

つまり、手元に50万円の資金しかなかった場合には木曜日まで他の取引をすることはできなくなります。

一方、信用取引の場合証券会社に預け入れた保証金を担保に差金決済が可能で、決済日を待たずとも保証金が残っていれば何度でも売買を繰り返すことが可能です。

一般信用取引と制度信用取引

信用取引の中には一般信用取引と制度信用取引の2種類があります。

一般信用取引では投資家と証券会社で契約を結んで信用取引を行い、証券会社から借りたお金に金利を上乗せして返済する必要があります。

一方制度信用取引は証券取引所が公表している制度信用銘柄選定基準を満たした銘柄のみを対象として行われる信用取引で、こちらも金利を支払う必要がありますが、証券会社が独自に設定した金利を支払うのに対して制度信用取引では一般的に金利は低く設定されています。

銘柄によって一般信用取引はできるものの、制度信用取引はできない銘柄が存在します。

一般信用取引と制度信用取引の違い

ここでは、制度信用取引と比べた場合の一般信用取引との違いについてお伝えします。

一般信用取引は期限が長い

制度信用取引は証券取引所が作ったルールに従い取引がなされるためどこの証券会社を使ってもルールは共通しており、また取引期限は6カ月と決められており、6カ月を経過しても決済がない場合には自動的に決済されてしまいます。

一方、一般信用取引は期限も証券会社毎に定められ、無期限であるものも多いです。ただし、制度信用取引にせよ、一般信用取引にせよ、保有している間は金利がかかるため長期保有の場合には注意が必要です。

一般信用取引には逆日歩がない

信用取引の内、信用売りでは売るための株をどこかから借りてこなければなりません。

各証券会社でも貸すための株は保有していますが、信用売りが膨らみ、貸す株が無くなることがあります。

貸す株が無くなった場合、最終的には証券会社が銀行等の機関投資家から借りて調達することになりますが、この際に証券会社から機関投資家に手数料(=逆日歩)を支払う必要があります。

逆日歩はどのタイミングで発生するのか分からず発生した場合「1株につきいくら」という具合に、制度信用取引の利用者全体で負担することになります。

一方、一般信用取引は各証券会社が独自に株式を調達しているため、すでにそうした手数料は金利に含まれており、逆日歩のような不透明な費用が突然発生するようなことはありません。

一般信用取引にしか空売りできない銘柄もある

制度信用取引は証券取引所でルールを決めているため、空売りできる銘柄はどの証券会社でも一緒ですが、一般信用取引の場合証券会社ごとにルールが決められ、空売りできる銘柄も証券会社によって異なります。

制度信用取引できる銘柄は1,700銘柄程あり、一般的に制度信用取引の方が空売りできる銘柄は多いですが、中には制度信用取引では空売りできない銘柄を、一般信用取引で空売りできる場合もあります。

一般信用取引を利用するメリットとデメリット

株式取引の方法には現物取引と制度信用取引、一般信用取引の3つの方法に分けると、一般信用取引は期限なく株式を保有することができ、逆日歩もなく、差金決済ができ、信用売りと買いの両方を行える銘柄があるといったメリットがあります。

しかし、信用取引は金利を支払う必要があり、一般信用取引は制度信用取引と比べて高い金利を設定されていることが多く、半年の取引期限がないのは便利だとも言える反面、それだけ長期保有すれば金利の負担も馬鹿になりません。

例えば、一般信用取引の無期限信用売りは金利が2.00%に設定されていますが、100万円分信用売りしていた場合、1年間保有しているだけで2万円の金利を支払う必要があります(制度信用取引の場合1.15%)。

一般信用取引は株主優待取得のつなぎ売りに使える

一般信用取引を有効活用する方法として、株主優待時のつなぎ売りとして利用することでノーリスクで株主優待を取得することができる方法があります。

通常、株主優待を受け取ることができる権利確定日の次の日には、株主優待の価値の分だけ株価が下がる権利落ちが起こります。

現物買いでは権利落ち分だけ損失となってしまうため、権利確定日の直前に買って、株主優待を受け取った後に売却しようとすると権利落ち分だけ損失となります。

一方、権利確定日の直前に信用売りをしていた場合には権利落ち分だけ利益を得られることになります。

つまり、権利付最終日に現物買と信用売を組み合わせると、現物買で株主優待を得られ、権利落ちの損失分を信用売りが吸収するため、売買手数料や保有日数分の金利の負担だけで株主優待を得られることになります。

制度信用取引では逆日歩が発生する可能性がある

一方、先に説明したように制度信用取引では権利付最終日に信用売りが集中すると逆日歩が発生する可能性があります。

制度信用取引を利用して株主優待取得のつなぎ売りを利用する場合には、逆日歩のコストが株主優待の価値を上回らないようコントロールする必要があるというわけです。

まとめ

一般信用取引は、制度信用取引と比べると取扱銘柄が少なく、現状では制度信用取引が主流ですが、一般信用取引でしかできないこともあります。

一般信用取引の特徴を良く理解して、自分の株式投資に役立てていきましょう。

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