AGA治療薬「プロペシア」とは？効果・費用・副作用をご紹介！

AGA治療薬 プロペシアとは？

プロペシアとは男性型脱毛症AGAの治療薬として開発された薬でフィナステリド成分を主成分としています。丸い錠剤でピンク色をしており、効果を実感するまでには最低でも半年程度の服用が推奨されています。

AGA専門のクリニックを訪れる薄毛に悩む男性に対して、最初に処方されるのがプロペシアという症例が多く、薄毛治療においては欠かせない治療薬となっています。

プロペシアの主成分

プロペシアに配合されているフィナステリド成分は、もともとアメリカで抗がん剤治療薬として使用されていた薬ですが、使用者に発毛効果が現れたことからAGA治療の分野でも活用されるようになりました。

1998年にFDAと呼ばれる米食品医薬品局にて処方が認可され、その後世界の60カ国以上で承認を受けています。日本でも厚生労働省によって薄毛治療薬として認可されており、高い効果性が期待できます。

AGAに効く理由

男性型脱毛症AGAの根本的な原因はジヒドロテストステロンの影響によることが研究によって明らかになっています。ジヒドロテストステロンは5αリクターゼと結合することによって分泌されますが、プロペシアは薄毛に強い影響を与えると言われている5αリクターゼⅡ型に働きかけ、ジヒドロテストステロンの生成を抑制する効果があります。

市販の育毛剤でも頭皮環境を整えたり、頭皮の血行を促進する効果が期待できますが、AGAの根本的な治療を目指すのであればプロペシアの服用は欠かせないでしょう。ただし、プロペシアを服用しても効果が現れないこともあり、すべての人に発毛効果が現れるわけではありません。

薄毛治療における効果性

AGA治療におけるプロペシアの効果性は科学的に実証されており、多くの治験結果も出ています。国内の臨床試験の結果を見ると、一年間プロペシア1㎎を投与した結果、約60％程度の改善結果がみられました。

その後の投与を続けると効果性は向上し、2年間では約70％、3年間では約80％の効果性が実証されているようです。

状態を向上させるだけでなく現状維持効果も高く、同量のプロペシアを一年間投与した結果約40％、2年間では約30％、3年間では20％の現状維持効果が認められました。つまり、プロペシアによってAGA治療に成功した後も服用を続けることによって効果性を持続させることが可能、ということです。

プロペシアの副作用

もともとがん治療薬として開発された薬、ということもありプロペシアには副作用の可能性があります。副作用が出る確率は個人差がありますが、あるデータによると全体の5％以下の割合だと言われています。

副作用の中には生活に大きな影響を与えない程度のものもありますし、十分に検討すべきものもあります。どのような副作用の可能性があるのか解説します。

肝機能障害

肝機能障害はプロペシアの服用によって発生する副作用の代表格といわれています。AGA専門のクリニックでプロペシアを処方される際には事前に血液検査や肝機能に障害を抱えていないか、などのカウンセリングが行われます。

肝機能障害には自覚症状がないので血液検査を定期的に行う必要があります。プロペシアを服用後、疲れやだるさを感じるようになったり、白目の部分に黄疸が出てきたなら精密検査を受けた方がいいでしょう。黄疸は白目だけでなく体の皮膚に発生することもあるので、プロペシア服用後は注意深く自分の体をチェックしておく必要があります。

専門のクリニックに通っている場合、定期的な検査が行われますから問題は少ないかもしれませんが、病院に通っていない場合は知らず知らずのうちに肝機能の数値、ASTやALTが上昇している可能性もあります。定期的に検査を受けて肝機能の状態を確認しましょう。

過敏症

プロペシアにはフィナステリド成分以外にも複数の添加物が配合されています。それらに反応して過敏症という副作用を発症する可能性があります。

アレルギー体質の方や過去に薬を飲んで体に反応が出た方などは要注意でしょう。過敏症を起こすと頭皮の痒みや吐き気、じんましん、皮膚の赤みなどが発生するようです。特に、咽喉、舌、口、唇などには症状が現れやすいので十分に注意しましょう。必要があれば事前に専門家に相談してアレルギー体質をチェックする必要があります。

生殖器障害

副作用の症状と発生する確率

プロペシアの服用を検討している方の多くが懸念している副作用は男性機能への障害でしょう。

上記の表のようにプロペシアには性欲減退や勃起不全などの生殖器に関係する障害が報告されており、具体的には射精不全や精液減少などの症状が現れるようです。これらの症状が発生する確率は全体の約1％程度弱となっており、高い数値でありませんが十分に考慮すべき要素です。

服用者すべてに副作用が出るわけではなく、副作用が出たとしても使用を中止するなら症状は元に戻るようです。プロペシアを個人輸入して服用する方が増えているようですが、副作用の可能性を考えるならAGA専門のクリニックを受診して、専門家の診断を受けつつ服用することをお勧めします。

抑うつ症状

プロペシアを使用する方の中には抑うつ状態になってしまう方がいるようです。気分が落ち込んでしまったり、活動的でなくなったり、逆に怒りやすくなる人もいるようです。また、大きな気分の変化を受けることによって、自律神経の乱れを経験することもあるでしょう。

これらがプロペシアによる直接的な影響なのか、プロペシアの副作用を気にするあまり、過敏になった故なのか確かなことはわかりませんが、いずれにしても服用後、気分のむらを感じたなら専門家に相談しましょう。

乳房肥大・乳房圧痛

プロペシアには男性ホルモンの影響を抑制する効果がるので、その影響で女性ホルモンが優位になり、乳房が張ったり、過敏になり痛みを感じる可能性もあります。ほかにも体つきが女性ぽっく変化することもあるようです。これらの症状が起きる可能性は低いと言われていますが、思い当たる節があるなら専門家に相談しましょう。

前立腺がんの発見の遅れ

前立腺がんの検査をするときは、前立腺がんのマーカーの血清PSAの濃度でがんの発生の有無を調べますが、プロペシアを服用するとPSAが半分程度にまで下がってしまいます。

前立腺がんが発見されるきっかけの多くは、健康診断でPSAの数値が高いことが分かり、精密検査を行った結果、がんが発見されます。PSAの数値がプロペシアの影響によって下がってしまうことによってがんの発見が遅れる可能性があります。

しかし、健康診断の際にプロペシアを服用していることを伝えることで、適切な対策を講じてくれますから大きな問題にはならないでしょう。

プロペシアの購入と服用方法

AGA専門のクリニックや皮膚科で購入

プロペシアは医薬品に分類されているため、ドラッグストアや薬局では購入できません。専門医の診断を受けたうえで正しく服用する必要があります。男性型脱毛症はAGA専門のクリニックか皮膚科で診てもらうことができます。

専門家による視診検査や血液検査などが行われ、AGAと診断されたなら薄毛治療薬が処方されます。専門のクリニックでも皮膚科でも処方されるプロペシアに変わりはありません。しかし、専門のクリニックの方がAGA治療に特化した治療を行っているので、副作用が発生した時や治療に関する相談など、より専門的なアドバイスを受けることができるでしょう。

一日一回の服用

プロペシアは一日一回の服用が必要です。効果性を高めるために服用の回数を増やしても効果的でありませんし、重篤な副作用が出る可能性がありますから、用法容量を守って服用しましょう。プロペシアは水で飲むこともできますし、ジュースなどで服用することもできます。ただし、飲むときには薬を割って飲まないようにしましょう。

プロペシアの効果を実感するためには半年程度の期間が必要といわれています。飲んだり飲まなかったりすると最大限の効果性を発揮できなくなりますから、忘れないように毎日のルーティーンにしましょう。

女性の服用は禁止

プロペシアの薄毛治療実験の際に男性に対する効果性は認められたものの、女性に対する効果性は認められませんでした。そのため、女性がプロペシアを服用することは禁止されています。

また、プロペシアには男の胎児の生殖器の発育に悪影響を与える可能性があることから、妊娠中、または妊娠している可能性のある女性、授乳中の方の服用は禁止されています。服用だけでなくプロペシアに接触することも禁止されているので取り扱いには十分に注意しましょう。

プロペシアでAGAが治らない原因

プロペシアは薄毛治療に有効であり、長期間服用することによって9割程度の人がなんらかの改善症状を実感しているようです。

しかし、服用しても一向に効果が現れない場合もあるようです。半年から一年程度服用しても効果が出ない場合、以下のような原因が考えられるでしょう。

AGAの進行が進んでいる

AGAの初期段階は頭頂部または前頭部から脱毛が進行し、頭皮が若干目立つ程度に薄毛になります。しかし、そのまま状態を放置しておくなら、さらに抜け毛が加速して、前頭部のおでこの範囲が広がり、最終的には頭頂部の薄毛とつながり、頭皮の髪がなくなってしまいます。

その状態からプロペシアを服用して状態の改善を図ってもかなりの時間がかかるでしょう。失った髪を取り戻すためには倍以上の期間が必要になるともいわれています。

自分の頭皮をチェックしてみて、薄毛が進行しているように思えても、産毛のような髪が残っているなら、まだ可能性はあるかもしれません。ジヒドロテストステロンの分泌量を抑制して、ヘアサイクルを元に戻すことで産毛の髪が黒く・太く成長する可能性もあります。しかし、AGA初期段階の人よりも長い時間がかかるかもしれません。

生活習慣の乱れ

プロペシアを服用しても効果が現れない場合、生活習慣の乱れが原因かもしれません。食生活や睡眠不足、運動不足などは髪の発育に悪影響を与え、プロペシアの効果性をかき消してしまう可能性があります。

プロペシアにはジヒドロテストステロンの生成を抑制して脱毛を防ぐ効果がありますが、薄毛を治療するためには脱毛予防だけでなく発毛効果を高める必要があります。

十分な栄養や毛母細胞の活性化も重要なファクターになり、バランスの取れた食生活や皮脂の過剰分泌の抑制などにも注意を払う必要があります。プロペシアの効果性を実感できていないのであれば、自分の頭皮環境を見直してみるといいでしょう。

脂漏性脱毛症

頭皮のべたつきや痒みがひどい場合、脂漏性脱毛症の可能性があります。ホルモンバランスの乱れや頭皮環境の悪化によって皮脂が過剰に分泌され脱毛症状を引き起こします。

この場合、男性ホルモンの抑制だけでなく頭皮環境の正常化も必要になるため、プロペシアだけでは薄毛治療の改善が現れないかもしれません。

円形脱毛症

円形脱毛症とAGAは全く別の脱毛症です。円形脱毛症は頭皮の一部分が10玉の大きさにツルっと剥げてしまいます。AGAは前頭部や頭頂部から徐々に進行しますから、見分けやすいでしょう。

円形脱毛症は自己免疫疾患やウイルスに感染することで起きると言われており、治療するためには専門の病院を受診する必要があります。脱毛の原因を取り除くことができれば半年程度で症状は改善するようですが、早い発見と治療が必要になるため、心当たりがある方は専門家に診てもらいましょう。

抜毛症

抜毛症とは、ストレスによって無意識のうちに自分の髪を引き抜いてしまう症状のこと。AGA治療というよりは精神面でのカウンセリングを必要としており、早い段階で専門家に診てもらう必要があります。

男性型脱毛症による脱毛なのか、円形脱毛症なのか、または抜毛症なのかは素人では判断しにくいでしょう。実際、円形脱毛症とAGAを同時に発症していることもあり、的確な対策を講じるためには専門クリニックを受診して医師に相談するのがおすすめです。

AGAは進行性の脱毛症なので時間との戦いになります。プロペシアを服用しても症状が良くならない場合は早めに相談しましょう。

プロペシアの費用

先発プロペシアの値段

プロペシアはAGA専門のクリニックまたは皮膚科で処方してもらうことができますが、基本的な金額は6,000円から8,000程度のようです。毎月受診して、血液検査などを行い処方してもらう必要がありますから、毎月一万円以上の費用が必要になるでしょう。

この費用をどのようにとらえるかは個人差がありますが、インターネットで販売されている医薬部外品の育毛剤の中には一万円弱の値段で販売されているものもあります。それらには厚生労働省公認の有効成分は配合されておらず、根本的な治療は難しいでしょう。

プロペシアは同じぐらいの値段でAGAの根本的な治療が治療が可能ですから、決して高い値段ではないでしょう。

ジェネリック医薬品

プロペシアにはジェネリック医薬品が販売されており、先発のプロペシアと同じ成分・効能を持っています。先発の医薬品の特許申請が切れたのちに販売が許可された医薬品なので、元来のものよりも安価で購入することができます。

プロペシアのジェネリック医薬品はフィナステリド錠と呼ばれており、4,000円から6,000円程度で購入できます。販売しているメーカによって値段設定が異なるため、ジェネリック医薬品を希望する際は事前に確認しておきましょう。

プロペシア以外のAGA治療

プロペシアを服用して効果がなかったとしても治療を諦める必要がありません。本人の強い意志と継続力があればプロペシア以外にもAGAを改善する方法があります。

ミノキシジルとの併用

ミノキシジルは新生毛の発育を促進させる薄毛治療薬であり、日本皮膚科学会が発表している男性型脱毛症診療ガイドラインにおいてAランクを受けており、高い発毛効果が期待できます。

この薬は高血圧の患者向けに処方されていた薬ですが、使用者に発毛効果が現れたことからAGA治療の分野でも活用されるようになりました。全身の血管を拡張させる働きがあり、それによって頭皮の血行が促進され発毛が促されます。

ミノキシジルはプロペシアと併用することが可能であり、プロペシアの効果性を高めるために併用を試す方が多いようです。プロペシアには抜け毛予防効果があり、ミノキシジルには発毛促進効果がありますから両者の効果性を兼ね合わせることによってさらに高い効果性を生み出すことができるでしょう。

フロジン液との併用

フロジン液とは塩化カルプロニウムを主成分とする外用薬でミノキシジルと同じく、血管を拡張させる働きがあります。髪の毛根細胞は血液を介して栄養を吸収するため、薄毛と血行不良には深い関係性があり、フロジン液を使用することで発毛効果を期待できます。

ミノキシジルほど研究データはありませんが、処方実績の報告なども上がっており、使用を勧めるAGA専門のクリニックもあるようです。今のところ、男性型脱毛症診療ガイドラインではCレベルにとどまっており、医学的な根拠はないものの試しに使用してもいい、とされています。

発汗や発熱などの副作用の可能性があるため、専門家に相談してから活用しましょう。

サガーロへの切り替え

デュタステリド成分を含むサガーロにもプロペシアと同じくジヒドロテストステロンの生成を抑制する効果があり、近年注目されています。プロペシアよりも新しい薄毛治療薬になるため、副作用等に関する詳しいデータは限られているものの、専門クリニックでも活用されています。

5αリクターゼにはⅠ型とⅡ型がありますが、プロペシアはⅡ型のみ、サガーロはⅠ型とⅡ型両方にアプローチできるため、プロペシアよりも効果性が高いとの見方があり、プロペシアで治療効果が見られなかった際にサガーロに切り替える人が多いようです。

ただし、副作用の可能性もあり、プロペシアよりも高額になるため十分に相談したうえで処方してもらうようにしましょう。

育毛メソセラピー

育毛に効果的に働く医療薬を注射器で頭皮に直接注入するのが育毛メソセラピーです。この場合、ミノキシジルやアミノ酸システインと呼ばれるビタミン剤などを直接注入します。多少の痛みはあるようですが、我慢できないほどではないようです。

AGAを発症すると毛乳頭細胞が弱体化して、髪を作り出す機能が低下します。育毛や発毛に有効といわれている成分を直接毛乳頭細胞に入れ込むことで、育毛剤として頭皮に振りかけたり、内服薬として摂取するよりも効果性が高いと言われています。

しかし、国内では治療の件数も限られており、術後の経過に関する症例報告も十分ではありません。そのため、クリニックによってはこの治療を推奨していない場合もあります。
治療費用は一回、約20,000から100,000円前後と治療する病院によって違いがあります。

もし、この治療方法を検討するのであれば医師と十分にコミュニケーションをとってから行うようにしましょう。

HARG療法

HARG療法とは成長因子を含む治療薬を直接頭皮に注入する方法です。再生医療を取り入れた薄毛治療になり、細胞の活性化が弱ってしまった毛乳頭細胞を再び生き返らせ、発毛促進を目指します。

育毛メソセラピーの場合も頭皮に有効成分を注入しますが、成長因子が含まれていないのが大きな違いです。HARG治療の場合は成長因子が含まれているので、細胞自らの成長を促し、細胞が回復すれば治療が終わった後でも発毛が継続すると考えられています。

現段階では十分な治験データがなく、医学的な根拠が乏しいため厚生労働省によって推奨される治療方法とはなっていません。治療費用は一回、約100,000円から200,000円と病院によって違いがあるようです。また、治療の効果性も医師の技術力や設備力にって差が出てしまうことがあり、事前に調査する必要があります。

植毛

植毛とはAGAが進行していない部分の髪を薄毛になっている部分に移植する治療のことです。現在では自毛植毛技術が進んでおり、見た目にも自然な仕上がりになるようです。

基本的には後頭部や側頭部などジヒドロテストステロンの影響を受けにくい部分の髪が移植され、うまくいけば移植後は自生機能によって髪が生え続けます。

しかし、医師の技術力に大きく左右される傾向があり、手術後自分が思っていたのと違う仕上がりになることもあるようです。費用は500,000円以上の高額治療になる傾向があり、移植する本数と範囲が大きければさらに費用はかさむでしょう。

プロペシアはAGA治療に有効な治療薬！

今回はAGA治療薬プロペシアについて特集しました。プロペシアは厚生労働省によって認可されている治療薬なので、薄毛に悩んでいる男性の希望の的になっています。

正しいルートで用法・容量を守ることによって最大限の効果が期待できます。AGA専門のクリニックではプロペシアの処方を含むAGA治療を行っているので、薄毛に悩んでいるのであれば早い段階で専門のクリニックを受診しましょう。