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トランザスの情報

トランザスの初値予想とビジネス評価

トランザス株のIPO戦略

トランザス社公募株の狙い目証券としては、主幹事のいちよし証券は外せませんが、副幹事のみずほよりも公平抽選配分比率が高いSBIとマネックスを優先したいところです。
いちよし証券はIPO公募株申込時に前受け金が不要ですが、ネットからの申し込みはできず電話からの申し込みだけとなります。従って、電話が繋がり難くなることが予想されます。因みに、公平抽選配分比率は、主幹事のいちよしは10%・SBIは40%~70%・マネックスは100%と考えられます。

トランザスの総合評価

トランザス
①初値の期待度

B

②当選しやすさ

C

③セカンダリー投資に適しているか

B

④総合評価(利益を出しやすいか)

B

評価の理由

① については初値がPER35倍~45倍まで買われる可能性があり、想定価格の1,300円に対して+76%~+123%と初値の期待度は平均をやや上回ることが期待されます。
② については主幹事いちよしの公平抽選配分比率が10%と苦戦ですが、SBIとマネックスに期待したいところです。
③ については期待通りに業績が拡大すれば、中長期的にPER100倍も夢ではありません。
④ 従って、総合的な利益の出しやすさは平均をやや上回ると考えられます。

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トランザス株のビジネス展望

トランザス
コード 6696
業種 電気機器
上場市場 東証マザーズ・売買単位100株
上場予定日 8月9日(水)
主幹事証券 いちよし証券㈱
監査法人 監査法人A&Aパートナーズ

トランザス社の事業内容は「IoT端末」や機器装置の製造販売およびシステム・サービスの提供ならびに業務システムなどの受託開発などとなっていますが、その中心は「ウェアラブルデバイスの開発・製造・販売」「STBの開発・製造・販売」「dongleeTV(ドングリ―TV)」「デジタルサイネージ機器の開発・製造・販売」の4つです。
具体的には普及が進む「ウェアラブルデバイス」や、テレビに接続し衛星放送や地上波テレビ放送(デジタル放送)・IP放送などの放送信号を受信して視聴する「STB」や、家庭用テレビ向けサービスプラットフォームである「dongleeTV(ドングリ―TV)」などが中心です。

現在、これらの分野は大手企業やベンチャー企業各社間で世界的に激烈な競争を繰り広げています。例えば、インターネット上のコンテンツを家庭用のテレビで楽しめる次世代の「セットトップボックス型デバイス(STB)」に於いては、アップルの「Apple TV」・アマゾンの「Fire TV」・グーグルの「Nexus Player」がトップ3となっています。その様な環境下でトランザスの製品がどこまでシェアを伸ばせるのかは未知数です。
しかしながら、トランザスは2015年12月にインテルがグローバルに展開する投資部門Intel Capitalを引受先とする3,000万円の第三者割当増資を行っています。従って、トランザス社の技術に対して大きな期待が掛かっていることも事実です。
また、トランザス社はライバル各社の平均経常利益率3.4%~5.3%に比較して高い利益率を確保することが可能となっていることも付け加えます。

トランザスの株価予想

トランザス社の想定価格は1,300円ですから前2017年1月期のEPS55.63円から計算しますとPERは23.4倍で、今2018年1月期の予想EPS65.34円から計算しますと予想PERは19.9倍となります。また、トランザス社ビジネスはIoT関連であること、上場市場が東証マザーズでIPOの規模は最大で約10.9億円であり東証マザーズとしても小型であることを考えると、初値リターンは良い傾向が見られ場合によっては高騰する可能性も考えられます。
只、主幹事が中堅証券のいちよし証券ということが気になりますが、過去の主幹事案件の初値実績は昨年3月上場のグローバルグループが公募価格比+60.0%、2015年のパルマが+70.5%、アクアラインが+21.7%と堅実です。
更に、公開比率は最大で約28%と標準的でロックアップも効いており株式需給も心配無さそうですし、トランザス社の2017年4月末現在の負債総額は92,002千円で株主資本合計51,455千円と比べても適正水準です。

一方、トランザス社の類似会社のPER等は以下の通りですが、この4社の中でトランザスに業態が近いのはオプティムとユビテックと考えられます。従って、今後、トランザスの業績が期待通りの増収増益基調であることが確認されれば、PER100倍前後まで買われる可能性もあります。只、IPOの初値予想としては今2018年1月期の予想EPS65.34円から計算しますとPERは35倍~45倍まで買われる可能性があり、初値予想は2,300円~2,900円となります。

類似会社のPER等(2017年7月12日現在)

コード 銘柄名 市場 PER PBR 配当利回り
3694 オプティム 東証1部 95.8 17.83 0.00%
3918 PCIホールディングス 東証1部 21.8 3.02 1.90%
6662 ユビテック JQ 101.3 2.43 0.59%
9739 日本システムウエア 東証1部 15.6 1.66 1.15%

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トランザス株の基本情報

会社概要

本社所在地 横浜市西区みなとみらい二丁目2番1号 横浜ランドマークタワー17F
創業 1995年1月26日
代表取締役社長 藤吉英彦
資本金 143百万円(7月5日現在)
連結売上高 1,051百万円(2017年1月期)
事業内容

「IoT端末」の製造販売・システム・サービスの提供・業務システムの受託開発

社員数 37名(1月現在)

沿革

  • 1995年1月 ㈲アイ・ディー・ディー設立、1997年㈱トランザスに組織変更
  • 2004年9月 Philips(オランダ)とIPTV事業にて提携
  • 2008年2月 世界初立体裸眼3DTV対応型STB開発
  • 2012年6月 横浜ランドマークに本社移転
  • 2014年7月 「Activeposter」の登録商標を取得
  • 2014年8月 アイエーグループ㈱より㈱アドバンス社の全事業を譲り受け業容拡大
  • 2015年7月 ウェアラブルデバイス開発開始
  • 2016年11月 ISO9001を取得、ウェアラブルデバイスの提供を開始
  • 2017年2月 台湾支店・シンガポール子会社を設立

トランザスビジネスのポイント

  • IoT端末やターミナルの製造販売とシステム・サービスをワンストップで行っている
  • 業務システムの受託開発・メンテナンスサービスを行っている
  • インテルがグローバルに展開する投資部門Intel Capitalと資本業務提携を結んでいる

同社グループは同社と連結子会社1社で構成され通信機能を持った端末であるIoT端末やターミナルの製造販売及びそれを利用したシステム・サービスの提供を主要業務としており、各種ソフトウェアの開発からターミナルの製造・システム・サービス提供・メンテナンスまでをワンストップで行っています。
主力のIoTソリューションサービスの売上構成比は70.46%で、ターミナル及びシステムを開発してパートナーであるVARに提供しています。具体的にはホテルへの映像配信や官公庁テレビ会議などがあります。
売上構成29.54%のIT業務支援サービスは業務システムの受託開発とメンテナンスサービスの提供が主で販売管理システム・顧客管理システム・会計システムなどを提供しています。

トランザス株の業績推移とポイント

業績数字推移(連結ベース)

決算年月 2016年1月 2017年1月 2018年1月(独自予想)
売上高 (千円) 1,028,122(+29.8%) 1,051,654(+2.3%) 1,252,000(+19.1%)
経常利益 (千円) 20,2407(+46.0%) 184,484(-8.9%) 243,000(+32.1%)
当期純利益 (千円) 122,612(+43.5%) 111,695(-14.9%) 166,000(+49.5%)
純資産額 (千円) 426,895(+59.1%) 538,834(+26.2%)
BPS (円) 212.6 268.34 -
EPS (円) 65.19 55.63 65.34
1株配当 (円) - - -
自己資本比率 (%) 67.7 76.7
自己資本利益率 (%) 35.3 23.1

業績数字のポイント

(※2016年1月期以降、株式1株につき50株の分割を反映)
前2017年1月期の売上高は増収で経常利益と純利益は減益に終わりましたが、今2018年1月期は増収増益が予想されます。
尚、IPOで得た資金はソフトウェアの開発のための開発委託費および人件費、販売用ウェアラブルデバイスの購入、レンタル用ウェアラブルデバイスの購入に充てる予定です。

トランザス株のIPO情報の要点

IPO(新規上場)スケジュール

仮条件決定日 7月20日(木)
ブックビルディング期間 7/24 (月) ~ 7/28(金)
公募価格決定日 7/31(月)
購入申込期間 8/2(水) ~ 8/7 (月)
上場予定日 8/9 (水)

IPO公募・売出し株式情報

公募株式数 740,000株(公募380,000株・売出し360,000株)
オーバーアロットメント分 100,000株
発行済株数 2,988,000株 (上場時、公募株数含む)
OR 28.1% (オファリングレシオ、OA分含む計算)
想定価格 1,300円
仮条件価格 -
公募価格 -
IPOの資金用途 開発委託費・ウェアラブルデバイス購入資金

(オーバーアロットメント分とは当初の予想を超える需要があった場合、追加的に投資家に販売することです。また、オファリングレシオは発行済株式数のどの程度を市場に放出するかを示す比率を意味します)

株主構成とロックアップ状況

氏名 株数(株) 割合(%) ロックアップ
藤吉 英彦 1,108,000 39.97 90日 or 1.5倍
WORLD F PTE. LTD. 500,000 18.04 90日 or 1.5倍
前川 昌之 195,000 7.03 90日 or 1.5倍
福田 敏章 130,000 4.69 90日 or 1.5倍
INTEL CAPITAL CORP 125,000 4.51
アイエーグループ㈱ 125,000 4.51
鈴木 邦敬 100,000 3.61
藤吉 一彦 100,000 3.61
長田 豊国 100,000 3.61 90日 or 1.5倍
奥 文郎 55,000 1.98 90日 or 1.5倍

INTEL CAPITAL CORPはインテルの投資部門でアイエーグループはオートバックスFCの会社ですが、いずれも外部株主でロックアップは掛かっていません。

ロックアップの無い上位大株主

NTEL CAPITAL CORP   125,000株
アイエーグループ㈱ 125,000株
鈴木 邦敬 100,000株
藤吉 一彦 100,000株
合計 450000株

上記ロックアップの無い上位株主の持ち株は450,000株でうち個人は役員などの会社関係者と考えられ、実質的にロックアップの無い上位大株主の持ち株合計は250,00株で株式需給への影響は軽微です。

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