SYSホールディングス株のIPO戦略
同社の上位幹事証券会社の公平抽選比率(独自予想)はいずれも10%程度と個人投資家には不利ですが、主幹事の東海東京は外せません。また、最下位で割当率1%ながら公平抽選比率が40%~70%のSBIは加えておきたいところです。
SYSホールディングスの総合評価
①初値の期待度 | B |
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②当選しやすさ | E |
③セカンダリー投資に適しているか | B |
④総合評価(利益を出しやすいか) | B |
評価の理由
① 3社同時上場ながら初値の期待度は高いと考えられます。
② 上位幹事証券の公平抽選比率はいずれも10%程度と当選の確率は低いと言えます。
③ 上場初値は高騰しましたが上場後の押目を狙えば、業績が安定していることからセカンダリー投資で利益確定のチャンスは十分です。
④ 公募株・セカンダリーを含めて利益確定のチャンスは平均以上と考えられます。
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SYSホールディングス株のビジネス展望
コード | 3988 |
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業種 | 情報・通信業 |
上場市場 | JASDAQスタンダード・売買単位100株 |
上場予定日 | 月日(金) |
主幹事証券 | 東海東京証券㈱ |
監査法人 | 有限責任監査法人トーマツ |
同社の業務を一言で表現すると「情報技術で笑顔を創る知的集団」とのことですが、現在、同社は国内連結子会社5社・海外連結子会社1社の計7社で構成されており、システムの開発及びソリューション・サービスの提供を中核とする総合情報サービス事業を行っています。
同社は製造業やインフラ関連など幅広い業種で総合情報サービスを提供していますが、特徴は単にソフトウェアを提供するだけではなくIT人材の創出・ソフトウェア投資のサイクルを支える提案・コンサルティング・情報インフラ構築・情報システムの開発・保守・運用と多岐に渡ります。
同社の総合情報サービス事業は相手先企業により以下の3つのソリューションに分類されます。
「グローバル製造業ソリューション」は製造業をターゲットとし、主に自動車・重工業・工作機械・鉄鋼・搬送機等の関連企業にサービスを提供しています。
「社会情報インフラソリューション」は電力・ガス等のエネルギー・生命保険等の金融・鉄道・不動産関連の企業や官公庁・自治体等を主要顧客としてサービスを提供しています。
「モバイルソリューション」は流通グループ・訪問介護・医療・ロードサービス等の業種を対象にモバイル・アプリケーション等によるサービスを提供しています。
同社ビジネスのリスク・課題としては内外の競合ライバル社が多いため顧客満足度を維持・向上すること、生産性と品質の向上を図ることによりリピートオーダーを獲得すること、現在、インドネシア中心に展開している海外での事業展開を進めることなどです。
SYSホールディングスの株価予想
同社の公募価2,560円に対して、上場日6/30の初値は5,530円と公募価格比+2,970円で+116.0%と初値は暴騰しました。今2017年7月連結予想EPSを127.32円としますと、初値の予想PERは43倍と過熱感がありました。
その結果、上場日以降の同社株価は下落し7/14には3,880円の安値を付け、その後、4,000円前後の揉み合いが続きます。7/14安値3,880円の予想PERは30倍まで下がり加熱感は解消されています。同社の今後の株価展望を以下で項目別に整理します。
業績
今2017/7期上期の業績はグローバル製造業ソリューション等が堅調に推移しており、売り上げはグローバル製造業ソリューションが前年同期比3%増、社会情報インフラソリューションが同6%増と堅調に推移しています。利益面ではリピートオーダーの提案・受注に加え受注判定会議の実施により不採算案件の防止に注力したことが奏功し、今2017年7月期の連結予想数字は増収増益が予想されます。また、来2018年7月期も同様のトレンドが期待されます。
需給
同社の大株主でロックアップが掛かっていないのは従業員持株会(73,800株・7.08%)と三井住友銀行・百五銀行・瀬戸信用金庫(各10,000株・0.96%)ですが、現状で従業員持株会はもとより3金融機関が同社株を売却することは考えられません。
只、同社の信用取引の買い残高が66,800株(7/24現在)ありますので、決済売りが出て来ることに注意が必要です。
成長性
同社の現状のビジネスモデルの成長性に問題はありませんが、今後、同社のビジネスモデルが現状のトレンドを超えて大きく成長するという期待が大きい訳ではありません。
リスク
同社ビジネスに於きましては常に内外のライバル社と競合関係にあるためリスクは存在しますが、現状の業績は安定しており特に差し迫った大きなリスクは見当たりません。
従って、当面は上場初日に付けたザラ場高値5,700円をクリアするのに時間が掛かりそうです。
直近の日々の出来高が1万株前後に落ち込んでいるからです。只、現在のビジネス環境が続けば、いずれ高値をクリアするタイミングが訪れると考えられます。
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SYSホールディングス株の基本情報
会社概要
本社所在地 | 愛知県名古屋市東区代官町35番16号 |
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創業 | 1991年(前身)・2013年(SYSホールディングス) |
代表取締役社長 | 鈴木裕紀 |
資本金 | 306百万円 |
連結売上高 | 3,896百万円(2017年7月期予想) |
事業内容 | ITシステム開発及びITソリューション・サービスの提供 |
社員数 | 555人(連)(4/30現在) |
沿革
- 1991年1月 (株)エスワイシステム(本社:愛知県名古屋市中区)を設立
- 2002年4月 (株)エスワイシステムが関東事業所(東京都千代田区)を開設
- 2004年3月 (株)エスワイシステムが関西事業所(大阪府大阪市北区)を開設
- 2005年10月 (株)エスワイシステムがISO9001:2000, JIS Q 9001:2000認証取得
- 2013年8月 持株会社としてSYSホールディングスグ設立
- 2016年4月 (株)SYI、(株)グローバル・インフォメーションTがISO認証取得
SYSホールディングスビジネスのポイント
- 総合情報サービス事業を行っていること
- 総合情報サービス事業は3つのソリューションに分類されること
- ソフトウェアを提供するだけではなくIT人材の創出等に注力していること
現在、同社の総合情報サービス事業の中核は以下の国内連結子会社5社・海外連結子会社1社で構成されています。
㈱エスワイシステム
㈱SYI
㈱エス・ケイ
㈱総合システムリサーチ
㈱グローバル・インフォメーション・テクノロジー
PT.SYS INDONESIA (インドネシア・ジャカルタ)
そして、「グローバル製造業ソリューション」(前期売上高1,744百万円・売上比率46.5%)では、製品や部品への情報技術の活用による差別化と生産管理・品質管理・調達管理・物流管理等の効率化のために情報技術が活用されており、安定したソフトウェア投資が行われております。
また、 「社会情報インフラソリューション」(1,856百万円・49.4%)では、電力・金融等の社会を支えるインフラによるサービスやインターネットやデーターセンター等の情報インフラサービスを提供する企業に対して、競争力維持のために継続的にソフトウェアが提供されています。
更に、「モバイルソリューション」(154百万円・4.1%)では、今後の成長が期待される法人向けのモバイル・アプリケーション等によるサービスを提供しており、流通グループ・訪問介護・鉄道・医療・ロードサービス等の業種をエンドユーザーにしています。
SYSホールディングス株の業績推移とポイント
業績数字推移(連結ベース)
業績数字のポイント
今2017年7月期の連結予想数字は増収増益が期待されます。また、来2018年7月期も同様のトレンドが期待されますが、利益の伸び率が鈍化傾向であることが気になります。
従って、今後は配当や株主優待などの株主還元策が求められそうです。
SYSホールディングス株のIPO情報の要点
IPO(新規上場)スケジュール
仮条件決定日 | |
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ブックビルディング期間 | |
公募価格決定日 | |
購入申込期間 | 6月22日(木)~6月27日(火) |
上場予定日 | 6月30日(金) |
IPO公募・売出し株式情報
公募株式数 | 300,000株(公募200,000株・売出し100,000株) |
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オーバーアロットメント分 | 45,000株 |
発行済株数 | 1,241,000株 (上場時、公募株数含む) |
OR | 27.8%(OA分含む計算) |
想定価格 | 2,560円 |
仮条件価格 | 2,360円~2,560円 |
公募価格 | 2,560円/初値:5,530円(公募価格比+2,970円 +116.0%) |
IPOの資金用途 | 設備資金と連結子会社である㈱エスワイシステム及び㈱エス・ケイへの投融資資金に充当する予定です。 |
(オーバーアロットメント分とは当初の予想を超える需要があった場合、追加的に投資家に販売することです。また、オファリングレシオは発行済株式数のどの程度を市場に放出するかを示す比率を意味します)
株主構成とロックアップ状況
氏名 | 株数(株) | 割合(%) | ロックアップ |
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鈴木裕紀会長兼社長 | 643,000株 | 61.76% | 180日間 |
安田鉄也取締役 | 180,000株 | 17.29% | 180日間 |
二宮由美従業員 | 101,000株 | 9.70% | 180日間 |
SYSHDグループ従業員持株会 | 73,800株 | 7.08% | |
㈱三井住友銀行 | 10,000株 | 0.96% | |
㈱百五銀行 | 10,000株 | 0.96% | |
瀬戸信用金庫 | 10,000株 | 0.96% | |
一柳泰行子会社取締役 | 4,200株 | 0.40% | 180日間 |
後藤大祐取締役 | 3,000株 | 0.28% | 180日間 |
伊藤政光子会社取締役 | 3,000株 | 0.28% | 180日間 |
山下真樹雄 | 3,000株 | 0.28% |
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